世界の片隅にて

自然の詩 作品No1

世界の片隅にて

陽が昇ると

太陽神はほうぼうを見渡して

誰それが何処で何をしているかを知ることとなる。

海神と世間話をするうちに

つい愚痴をこぼしてしまう両者は、笑いながら

もう夕方には

深刻顔になってしまうのが

太古からの日課のようなものだった。



やがて星々が笑い始めると

月神が山神と話し込んでしまい

遠い銀河系の噂を小耳に挟んだりして

時々、夜明けは遅くなったりするのだから

「困ったものだ」と、朝つゆがぼやく





世界の営みはいつも

危ない綱渡りで成り立っている


放射能のいつまでも消えないかけらはどこにあるのだろう

酸素と二酸化炭素と窒素のバランスは保たれているのか?

あの山を削り、この川を汚して、海に毒薬を垂れ流して



人は人を傷つけていいのか

そこが分からないということなのか



気持ちよく昼寝をしているウミガメに

誰がヒモを縛っていいと言ったのだろう


大統領が偉いのでもなんでもない

将軍が勢力図を動かしているのではないことは

自明の理だ


ミサイルと原爆は

誰に何をしたか問うてみたことがあるというのか



じゃあ、ユダヤなのか華僑なのか、なんてゆう議論は

愚の骨頂でもある



国境を取っ払って、人種をシェイクして

じゃあ世界の平均化か?



おとこと女と、どちらが得とか、強いとか?





陽が昇ると

太陽神はほうぼうを見渡して

誰それが何処で何をしているかを知ることとなる。

海神と世間話をするうちに

つい愚痴をこぼしてしまう両者は、笑いながら

もう夕方には

深刻顔になってしまうのが

太古からの日課のようなものだった。



やがて星々が笑い始めると

月神が山神と話し込んでしまい

遠い銀河系の噂を小耳に挟んだりして

時々、夜明けは遅くなったりするのだから

「困ったものだ」と、朝つゆがぼやく





宇宙の意志は、いま本当に困っているに違いない