強く生きる詩 作品No2
おとこのつくり方
やせっぽちの青年は恋をして それでもわがままを相手にぶつけると 許してくれて そんなおんなのやさしさに気がつきもせず 自分のことだけを考えていた。 「まあ、結婚はしたけれど」などと ひとの話を風で受け いい気になっていた 子供が生まれると なんだかズンズンと彼のうちに脈打つなにか それは本能のほとばしり 働くことを常に率先してくたくたになり それでも脇目も振らず前進するひととなる 青年はやっと気がついた いとおしい者への執着は 筋肉となりしわとなり 手の節々は太くなり そしてそのひらは堅く分厚い おとこはこうしてできあがる