超人

強く生きる詩 作品No4

超人

超人は、夢をかなえる杖を持っている

超人はそれで金を稼ぐ

2億や3億は簡単という

金だけかよ、と野次が飛んできそうだが
彼はカッコイイ!

精悍なマスク、均整のとれたボディ
個性的なファッションに身を包み
いつも優雅そうにしているのが不思議だ

彼には、奥さんと子供もいるのだが
大体、こういう人種に限って家庭内は
不和が生じている

しかし、彼は奥さんともうまくいっているし
子供たちからも愛されている

彼は、夢をかなえる杖を持っている

彼はもう中年だが、一見少年のように若くみえる

一年に2回医者に行って健康診断を受けるのだが
異常は皆無。ますます若いと医者に太鼓判を押される

彼にまた芸術的な才能もあり
時間が許せば絵を描いたり詩をしたためたりしている

さて、彼の持っている夢をかなえる杖だが
この杖を、彼は一体どうやって手に入れたのか?

私もその杖が欲しくて、一度彼に尋ねたことがあるのだが
当然、彼は教えてはくれなかった
ただ、笑みを浮かべながらこう言った

「夢をかなえる杖なんて、この世にはないと思うよ」

意外な答えに私は戸惑ったが、彼は続けてこう言った
「そんな杖があったらオレも苦労はしないよ、ホントだよ!」

ただ
ただと言って、彼はこう呟いた

「人は誠実であるべきだと思うよ。そして愛すること。
そうそう、言い忘れたけれど
夢をみつけたらそれに邁進すること」

だけど、と言って彼は私の目を見据えたてこう言った

「無我夢中で努力するんだよ。だけど、それを人に悟られちゃいけないね」


彼は、夢をかなえる杖なんてゆうものは、持っていなかった。