四季の詩 作品No1
秋の国、夜の国
虫の音とジャズが セッションして 私の秋の夜長は飽きることがない 窓を開けると 天空にポカンと浮かんでいる月に 一筋のすっと流れた雲ひとつ なかなかにぎやかな季節になってきた こんな素敵な夜を どうしてさっさと眠ることができよう 秋の夜のフェスタは最高潮に達し 僕の思考は空を突き抜け 星は瞬き ふくらんだ思考は、成層圏を駆け抜ける 今日のニュースを忘れ、 明日の予定を考えず ただ、イメージはこの夜に溶けて混じり合い もうひとつの世界をかたちづくる 秋の国の住人は、いつだってとても穏やかだ そして、夜の国は 僕にすべてを物静かに振る舞ってくれる 嗜好の一致だ 秋の国は、夜の国とも通じていて その往来は 誰でも自由気ままだ フェスタのあと みんなは静かに家路につき 夜が漆黒から薄い白へと変わる頃 誰もが 大気となって消えてゆく 明日もあさっても 僕はまたここへ来るだろう だって、この国の人たちは 愛と そして、無情を 僕にやさしく 教えてくれるのだから